どーも、りけーこっとんです。

「Cycプロジェクトって何を目指していたの?」「推移律がpart-ofで成り立つかどうか、毎回迷う」このような、G検定の第2次AIブームの後半で迷っている方はいないでしょうか?

この記事では、第2次AIブームの「知識をどう集めるか」の挑戦として、Cycプロジェクト、セマンティックWeb、データマイニングとWebマイニング、ワトソン、東ロボくんを解説します。

最後に、紛らわしくなりやすい反射律・対称律・推移律もまとめました。

(2026年10月更新:G検定の現行シラバス(2024年第6回から適用)に合わせて内容を見直しました。)

この記事の要点

  • Cycプロジェクトは、1984年にダグラス・レナートが始めた「すべての一般常識をコンピュータに入れる」プロジェクト
  • セマンティックWebは、ティム・バーナーズ=リーが提唱した、Webページに意味(メタデータ)を付けてコンピュータに処理させる構想
  • ワトソンはIBMの質問応答(Question-Answering)システムで、2011年にクイズ番組で人間のチャンピオンに勝った
  • is-aの関係では推移律が成り立つが、part-ofの関係では成り立たない場合がある

手元に公式テキストが1冊あると、この記事で扱う用語をシラバスの言葉づかいのまま確かめられます。

深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版

JDLA(日本ディープラーニング協会)監修の公式テキスト。用語の意味を正確に確かめたいときの辞書がわりになります。

 

この記事は、現行シラバスでは第2章「人工知能をめぐる動向」の「知識表現とエキスパートシステム」の範囲です(シラバスはJDLAの公式ページで確認できます)。G検定の範囲全体を一覧で見たい方はG検定チートシートもどうぞ。

この記事では、文字の装飾を次の3段階にそろえています。試験直前は赤太字だけ拾い読みしても要点がつかめます。

  • 赤太字(超重要):試験で正解を決める決め手。年号・人物・数字・違いのポイント
  • 青色マーカー+太字(重要):用語の定義。「〇〇とは」の一文
  • 太字(覚えておきたい):あわせて覚えたい関連用語や覚え方

第2次AIブームと「知識をどう集めるか」

第2次AIブームとは、1980年代を中心に、知識を大量に与えたAIが急速に注目された期間のことです。

第2次AIブームは「知識表現」の時代とも言われます。

しかし、大量の知識を与えるのは結局人間なので「結局人間が頑張ってるだけだよね」となってしまい、1990年代には注目度合いが衰えてしまいました。

エキスパートシステムや意味ネットワークの基本はエキスパートシステムの記事で解説しています。

では、「それでも知識を集めるには?」という挑戦の中で、どんなキーワードがあったのか見ていきましょう。

Cycプロジェクトとは

Cycプロジェクトとは、「すべての一般常識をコンピュータに覚えさせよう」とするプロジェクトのことです。

1984年にダグラス・レナートによって開始され、現在もなお続けられているようです。

すべての一般常識を覚えさせることで、人間と同等の推論ができるようになると考えられての、プロジェクト発足でした。

「人は死ぬ」「水は高いところから低いところへ流れる」のような、人間なら当たり前すぎて口にしない知識を、人の手で1つずつ書き込んでいくんですね。

本当にすべての一般常識を覚えられたら、人間と同等の推論ができるようになるのでしょうか…?

何十年かけても終わらないこと自体が、知識獲得のボトルネックの大きさを物語っているとも言えます。

人が慎重に知識を書き込むので、ヘビーウェイトオントロジーの代表例としても問われます。

セマンティックWebとは

セマンティックWebとは、Webページに意味を表す情報を付けることで、コンピュータが自律的に情報を収集・加工できるようにする構想のことです。

Webの生みの親であるティム・バーナーズ=リーによって提唱されました。

普通のWebページは、人間が読めば意味が分かりますが、コンピュータにとってはただの文字の並びです。

そこで、メタデータを一定の規則に従って付け加えることで、コンピュータにも意味が分かるようにしよう、という考え方ですね。では、このメタデータとは一体何なのでしょうか。

メタデータとは

メタデータとは、データについてのデータのことです。何を言っているか分かりませんよね…

例えば論文データであれば、その論文の「タイトル・発表者・発表日・関連キーワード」などがあります。これは論文データについてのデータですね。

ECサイトに売られている商品であれば「商品名・価格・関連キーワード」などでしょうか。これは商品データについてのデータですね。

このように、データを表す属性や関連する情報を記述したデータのことを、メタデータと言います。

これからデータに関わっていこうとする方なら絶対に覚えておいた方が良いワードですね。

データマイニングとWebマイニング

データマイニングとは

データマイニングとは、大量のデータから「知識」を見出すための技術のことです。

ここで用いられるのは、統計学や人工知能などの分析手法です。
鉱山(マイン)から鉱石を掘り出すように、データの山から役に立つパターンを掘り出すイメージですね。

もしかすると「ビットコイン」の話で聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし「データマイニング」と「ビットコインのマイニング(採掘)」は意味が違いますので、ご注意を。

たしか「マインクラフト(Minecraft)」の語源も「鉱山(マイン)から鉱石を掘り出す」的なことだったかと!

ウェブマイニングとは

ウェブマイニング(Webマイニング)とは、Web上の膨大なデータを利用して行うデータマイニングのことです。

Webサイトの大量のデータから「知識」を見出します。

例えば、掲示板やレビューから商品の評価を見たり、サイトの行動履歴から趣味嗜好を判断したりと、様々な使われ方がありますね。

人が書き込むのではなく、データから自動で関係を見つけるので、ライトウェイトオントロジーの例として挙げられます。

AIはもう大人だけのものではありません。お子さんと一緒に、生成AIの正しい使い方から学べる講座もあります。

ワトソンと東ロボくん(QuestionAnswering)

Question-Answeringとは

Question-Answering(QuestionAnswering)とは、人が自然言語で入力した質問を受け付けて、その答えを自然言語で返すコンピュータソフトウェアのことです。

質問応答システムとも呼ばれます。

ワトソンとは

ワトソンとは、IBMが開発した、質問に答えるAI(質問応答システム)のことです。

2011年にアメリカのクイズ番組「ジェパディ!」で、人間のチャンピオンに勝利して話題になりました。

問題を文脈を含めて理解し、Wikipediaなど大量の情報の中から適切な回答を選択します。

ただし、質問の意味を本当に理解しているわけではなく、ライトウェイトオントロジーのように、データの中の単語の関係から答えを探している点がポイントです。

IBMは、人間の知能を置き換えるのではなく補う「拡張知能(Augmented Intelligence)」と呼ぶこともあるようです。

東ロボくんとは

東ロボくんとは、AIで東京大学の入試合格を目指した、国立情報学研究所のプロジェクトのことです。

2011年に始まりました。

大学入試センター試験の模試で偏差値50台後半を取れるまでになりましたが、問題文の意味を理解する読解力の壁を越えられず、東大合格は断念しました。

2016年に東大合格を目指す取り組みは終了しています。「AIは意味を理解していない」ことが、ここでもはっきり示されたんですね。

反射律・対称律・推移律の違い

これは第2次AIブームの知識、というよりは数学の「集合」の知識に近いと思います。

シラバスにキーワードとして載っている推移律を、周辺の知識も踏まえて共有します。
以下のRには「=」「<」「>」のような関係が入ります。

文字が多くややこしい概念ですが頑張っていきましょう!

反射律

反射律とは、すべてのxに対して「xRx」が成り立つことです。

例えば「x=x」は、xにどんな数字を入れても成り立ちますよね。
これは「反射律を満たす」と言います。

一方「x>x」は、自分自身より大きいことはあり得ないので「反射律を満たさない」です。

対称律

対称律とは、「xRyならばyRx」が成り立つことです。

例えば「x=yならばy=x」は、当然と言えば当然ですよね。
これは「対称律を満たす」と言います。

一方「x>yならばy>x」は、大小関係が逆になってしまうので「対称律を満たさない」です。

推移律とは

推移律とは、「xRyかつyRzならばxRz」が成り立つことです。
三段論法とも言われますね。

例えば「x=yかつy=zならばx=z」は、どんな数字を入れても成り立ちます。

「x>yかつy>zならばx>z」も、実際に数字を当てはめてみると分かりますが正しいので、「推移律を満たす」と言います。

性質 式 = >
反射律 xRx 満たす 満たさない
対称律 xRyならばyRx 満たす 満たさない
推移律 xRyかつyRzならばxRz 満たす 満たす

is-a・part-ofの関係と推移律

G検定で一番問われるのが、意味ネットワークの関係と推移律の組み合わせです。

  • is-aの関係:「人間はほ乳類」「ほ乳類は動物」なら「人間は動物」と言えるので、推移律が成り立つ
  • part-ofの関係:「太郎の手は太郎の一部」「太郎は野球チームの一部(メンバー)」でも「太郎の手は野球チームの一部」とは言いにくいので、推移律が成り立たない場合がある

part-ofには「部品と全体」「メンバーと集団」など少なくとも5種類の関係があり、種類が混ざると推移律が崩れてしまうんですね。

is-aとpart-ofの基本は意味ネットワークの記事で解説しています。

G検定での問われ方

この記事の用語は、「誰が・いつ」と「何を目指したか」の組み合わせで問われます。

用語 一言でいうと 覚えるポイント
Cycプロジェクト すべての一般常識をコンピュータに入れる 1984年・ダグラス・レナート・今も継続
セマンティックWeb Webに意味(メタデータ)を付ける構想 ティム・バーナーズ=リー
データマイニング 大量のデータから知識を掘り出す ビットコインの採掘とは別
ウェブマイニング Web上のデータでデータマイニング ライトウェイトオントロジーの例
QuestionAnswering 自然言語の質問に自然言語で答える 質問応答システム
ワトソン IBMの質問応答システム 2011年にクイズ番組で優勝
東ロボくん AIで東大合格を目指したプロジェクト 国立情報学研究所・読解力の壁で断念
推移律 xRyかつyRzならばxRz is-aは成立、part-ofは成立しない場合あり

よくある質問

Q. セマンティックWebは実現していますか?

構想そのものが完全に実現したとは言えませんが、Webページに構造化データ(メタデータ)を付ける仕組みは、検索エンジンなどで広く使われています。

Q. Cycプロジェクトは誰がいつ始めましたか?

ダグラス・レナートが1984年に始めました。すべての一般常識をコンピュータに入れることを目指し、現在も続けられています。

Q. part-ofの関係で推移律は成り立ちますか?

成り立たない場合があります。

is-aの関係では推移律が成り立ちますが、part-ofには複数の種類の関係があるため、種類が混ざると「AはBの一部、BはCの一部、だからAはCの一部」と言えないことがあります。

よくある質問の内容までスラスラ答えられたら、次は問題形式で解いてみるのがおすすめです。選択肢を見比べると、どこで引っかけられるのかが分かってきます。

徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第3版

分野ごとの問題と解説がまとまった問題集。記事で覚えた用語を、本番と同じ選択式で解いて確かめられます。

 

 

まとめ

  • Cycプロジェクト:すべての一般常識をコンピュータに入れる(1984年、ダグラス・レナート)
  • セマンティックWeb:メタデータでWebに意味を持たせる構想(ティム・バーナーズ=リー)
  • データマイニングは大量のデータから知識を掘り出す技術。Web上のデータで行うのがウェブマイニング
  • ワトソンはIBMの質問応答システム、東ロボくんはAIで東大合格を目指したプロジェクト
  • 推移律はis-aの関係では成り立ち、part-ofの関係では成り立たない場合がある

第2次があるということは、第3次もあるんです。次は、機械学習とニューラルネットワークが広まった第3次AIブームを、パーセプトロンとコーパスの記事で解説していきます。覚える内容が多いですが、りけーこっとんも頑張ります!

G検定の試験範囲をまとめて見直したい方は、シラバスの全キーワードを一行でまとめたG検定チートシートをどうぞ。分野ごとに読み進めたい方はG検定の解説記事一覧からどうぞ。

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ABOUT ME
りけーこっとん
小学生と関わり始めて、10年。最初は学童アルバイト、現在は小学生向けにプログラミングを教えています!日々、小学生のプログラミングに関する情報の発信をしています。小学生のお子さんがいて、プログラミングに興味のある親御さん・お子さん必見です!