前回の記事で、お子さんがScratch版フォートナイトを夢中でプレイしてくれたなら、きっと親御さんもホッと一安心されたのではないでしょうか。
でも、やっぱり「ただ時間の浪費にならないか」「専門知識がなくてもサポートできるのか」が気になる…
この楽しさを、本格的な学習や、将来役立つプログラミング思考にどう繋げられるかが知りたいわ。
全くもってその通りです。
今、お子さんの強い興味(Fortnite)を「遊び」で終わらせず、「学び」に繋げるための、最も重要な移行段階にいます。
この記事は、以下の2つを解決する具体的な方法をお伝えします。
- ゲーム依存リスクの解消:
ただゲームを「消費」するだけで、時間の浪費にならないか。 - 指導の壁の解消:
専門知識のない親が、どうやって子供の学習をサポートできるのか。
鍵となるのは、「スクラッチで2Dで再現する」という考え方です。
なぜ、本格的な3Dではなく、あえて2Dで再現することが、プログラミング学習において最も効果的なのか?
そして、どうすればゲームを「消費」(依存につながる可能性のある行為)から、その仕組みを分析し再現する「創造」(論理的思考力を育む行為)へと転換できるのか?
この記事を読み終える頃には、親御さんはもう技術指導の必要がないことに気づき、お子様の学びに伴走する自信が湧いてくるはずです。
さあ、「遊び」を「創造」に変える魔法のステップに進みましょう!
なぜ「作り方」の前に「分析」が重要なのか?
じゃあ早速お子さんにコードを書き始めさせよう、と考えますよね。
その気持ちはわかります。
ですが、ちょっと待ってください!
もし、何の準備もなくいきなり「フォートナイトを作ってみよう!」と声をかけたら、どうなるでしょうか?
長男さんは、難しすぎてすぐに挫折してしまうかもしれません。
プログラミングは、単にコードを書くスキルではありません。
それは、複雑な問題を論理的に、小さなステップに分解して解決する能力(問題解決能力)そのものです。
自分が重視するのは、この「問題を分解する力」。
つまり、「作り方」に進む前に、「分析の視点」を身につけることが、プログラミングを楽しく継続するための最短ルートなのです。
この「分析」のプロセスを経ることで、お子さんはゲームを「消費」する側から、「仕組みを考える」というプログラマー・SE側の視点に立つことができます。
これは、将来どの分野に進むにしても必ず役に立つ、一生ものの論理的思考力を育みます。
遊びの中に隠されたルールを発見!「動きとアイテム」の仕組みを分解しよう
お子さんが大好きなフォートナイトは、実は「命令とルール」の塊です。
フォートナイトで遊ぶとき、お子さんはそのルール通りにキャラクターを動かしていますよね。
この「自分で操作している動き」を立ち止まって分析してみましょう。
これが、プログラミングで最も大切な論理的思考力を育むトレーニングになります。
お子さんの身近なフォートナイトの要素を、プログラミングの基礎的な視点から分解してみましょう。
1. キャラクターの「動き」の仕組みを分析
キャラクターが歩いたり、走ったり、ジャンプしたり…この一連の動作には、すべて「命令の順番(順次処理)」と「繰り返し」が使われています。
お子さんがゲームをプレイ中や終わった後に、こんな問いかけをしてみてください。
| ゲームの行動 | プログラミングの仕組み | 親の問いかけ |
| キーを押している間、キャラクターが走り続ける。 | 繰り返し(ずっと)のブロック | キャラクターの移動は、何ボタンでするの? どんな時にキャラクターって移動するの? |
| 移動中に障害物に当たったら、それ以上は進まない。 | 条件分岐(もしも〜ならば)のブロック | 進めないのはどんな時?(条件) |
2. 「アイテム使用」の仕組みを分析
フォートナイトでは、回復アイテムや武器をタイミングよく使うことが、勝敗を分けます。
ここにも、プログラミングの基本的な「ルール(条件)」が隠れています。
| ゲームの行動 | プログラミングの仕組み | 親の問いかけ |
| 体力が減って(条件)、 ボタンを押すと(きっかけ)、 回復アイテムを使える(行動)。 |
条件分岐(もしも〜ならば)のブロック | 回復アイテムを使うのはどんな時?(条件) アイテムを使うには何をするのかな?(きっかけ) |
このように、「分析」とは、お子さんがすでに持っている興味と知識・経験を、プログラミングの「論理」に繋ぎ直す、最も強力な架け橋なのです。
次の章では、この「分析」をさらに深めるために、なぜ2D制作が理想的な目標なのかを解説します。
2Dゲームでプログラミングの基礎を学ぶ
前章で、フォートナイトの「動きやアイテムのルール」を分解することが、プログラミングの論理的思考力を鍛える最高のトレーニングだとわかりましたね。
この分析が終わったら、いよいよ次は「作ってみる」ステップに進みます。
ですが、ここで長男さんが「本物のフォートナイトみたいに、3Dで作りたい!」と言い出したら、どう答えるのが正解でしょうか?
結論から言うと、最初は「2D」を選ぶのが、プログラミング学習成功の鍵です。
これは「合理的な費用対効果」を重視する保護者 にとって、最も効率的で、挫折を防ぐ方法なのです。
難しい3Dより、フォートナイト2D再現がScratchに最適な理由
なぜ、あえて「2D」を選ぶことが、プログラミングの基礎を学ぶ上で大切なのでしょうか?
実は、ここにもプログラミングの本質が隠されています。
理由 1:失敗や挫折を防ぎ、達成感をすぐに得られる
プログラミング学習において、「自分で作ったものが動いた!」という成功体験と達成感は、子供のやる気を継続させるエネルギー源です 。
3Dゲーム:リアルな描写を実現するには、非常に複雑な計算やコードが必要です。
初心者が手を出すと、エラーばかり出てしまい、モチベーションが低下してしまいがちです。
2Dゲーム:Scratchの得意分野です。
「キャラクターが右に動く」「アイテムに触れたら消える」といったシンプルなルールに集中できるため、長男さんは短時間で結果を出すことができ、プログラミングを「楽しい!」と感じ続けられます 。
理由 2:プログラミングの「基礎」に集中できる
Scratchのようなビジュアルプログラミングは、まず「論理」を学ぶためのツールです。
3Dゲームでは、視点移動や立体的な動きの「複雑な計算」に時間を取られてしまい、本来学ぶべき「順序(順次処理)」「もしも(条件分岐)」「繰り返し」といったプログラミングの基本概念の学習が疎かになってしまいます。
Scratchでも多くの2D版ゲームがあるように、たくさんのユーザーがScratchで実現可能な「2D」に目を向けているのは、まさにこの効率性を理解しているからです。
まずは2Dでゲームを完成させることで、「論理的思考力」という間接的な能力をしっかりと身につけましょう 。
理由 3:親子の会話がしやすい
3Dの複雑なコードでエラーが出ても、親が内容を理解するのは非常に困難です。
しかし2Dであれば、まだ仕組みは単純になります。
親にも視覚的に仕組みがわかりやすくなるため、「一緒に楽しむ」「なぜ?に寄り添う」という親の役割を果たすことができます 。
次の章では、親御さんが技術知識ゼロでも、長男さんの学習意欲と問題解決能力を劇的に伸ばすことができる「サポート術」をご紹介します。
技術不要!親が子供のやる気を引き出す質問フレーズ
前章までで、「2D制作」がプログラミングの基礎を学ぶ上で最も合理的で効果的な目標だと分かりましたね。
しかし、ここで感じる最大の不安は、「私はプログラミングなんてわからないのに、どうやって子供をサポートすればいいの?」ということではないでしょうか。
安心してください。
プログラミングにおいて、親が技術的な指導をする必要は一切ありません。
親の最も大切な役割は、「精神的サポートに徹すること」です。
専門知識のない田中さんでも、今日からすぐに実践できる、お子様のやる気と問題解決能力を劇的に引き出す「魔法のサポート術」をご紹介します。
「結果」より「プロセス」を褒める最強のサポート術
プログラミングでは、エラーや失敗は必ず起こります。
お子さんが夢中になって作ったフォートナイト風ゲームが、突然動かなくなってイライラしている姿を見たとき、親としてどう声をかけるかが分かれ道です。
ここで大切なのは、「結果」(うまく動いたかどうか)ではなく、「プロセス」(頑張った過程)を褒めることです 。
【NGな声かけと、やる気を引き出す声かけ】
| シチュエーション | NGな声かけ(結果重視・批判) | やる気を引き出す声かけ(プロセス重視・承認) |
| プログラムが動かない時 | 「どうしてまたエラーになったの?早く直さないと」 | 「ここまで頑張って作ったね!次は、ここをどう変えたらいいか、一緒に考えよう!」 |
| 難しい問題で諦めかけた時 | 「すぐ飽きちゃうの?向いてないんじゃない?」 | 「難しい問題だね!これはチャンスだよ!何が原因か、一緒にブロックを上から順番に見てみよう」 |
| 作品がシンプルに完成した時 | 「もっと複雑なものを作ってみたら?これだけ?」 | 「この色や動きは、どういう順番で決めたの?工夫したところを教えて!」 |
【親の役割は精神的サポートに徹する】
プログラミング学習は、失敗や間違いを経験しながら進むもの。
親が焦ったり、ネガティブなプレッシャーを与えたりせず、「エラーも含めて学習プロセスだ」と捉えることが大切です。
もし、どうしても解決できない技術的な壁にぶつかったら、「一緒に調べてみよう」と声をかけるか、「専門的なことは、先生や教材に任せよう」と割り切って、次の記事でご紹介するプログラミング教室など、プロのサポートを利用するのも合理的です。
お子さんに寄り添い、「頑張った過程」を認めるだけで、長男さんは「やればできるんだ!」という達成感と自信を養い、プログラミング学習を習慣化できるようになります。
つまずいたらチャンス到来!子供の問題解決能力を伸ばす質問フレーズ
「つまずき」は、子供の問題解決能力(論理的思考力)を伸ばす最高のチャンスです。
技術的な知識がなくても、親御さんは「なぜ?」という質問で、お子さんの思考をサポートできます。
| つまずいた時の状況 | 質問フレーズ(思考を促す) | 伸ばせる能力 |
| キャラクターが右に動かない時 | 「どうして右に動かないんだろう?どこを直せばいいか、一緒に考えてみよう!」 | 原因特定力、論理的思考 |
| アイテムが使えない時 | 「アイテムを使うには、何をしたときに、プログラムが実行できればいいかな?」 | 条件分岐の理解、手順の把握 |
| 最初からやる気を失った時 | 「昨日まで頑張っててすごいじゃん!今日はどんなゲームを作ってみたい?」 | 興味の再喚起、自己学習能力 |
これらの質問は、技術的な正解を求めるのではなく、お子さん自身に解決の手順を考えさせるためのものです。
親子のコミュニケーションを深めながら、長男さんの学習意欲を最大限に引き出していきましょう。
まとめ:いよいよ実践へ!
お子さんの「遊びたい!」という純粋な興味を、単なる消費で終わらせず、「仕組みを分析し、創造する側に立つ」という、教育的な価値のあるステップに変える道筋が見えてきたのではないでしょうか。
迷ったら「つまずきはチャンス」と捉えましょう。
プログラミングは、エラーや失敗の連続です。
親御さんが横で「ここまで頑張ったね!」「次に何を試すか一緒に考えてみよう」と声をかけるだけで、お子さんの自己肯定感と忍耐力は大きく育ちます。
お子さんが「仕組み」に興味を持ち、分析的な視点を身につけられたら、いよいよ次のステップ、「自分で作ってみる」段階です。
お子さんの「作りたい!」という意欲が最高潮に達したこのタイミングこそが、プログラミング学習を本格化させる最高のチャンスです。
次の記事では、初心者向けのロードマップと、お子さんの学習を強力に後押しするためのプロのサポート(教室)の選び方を詳しくご紹介します。
ぜひ、お子さんの未来を切り開く次のステップへ進んでみてください。
※本記事に関する画像はAIを用いて作成されることがあります


