どーも、りけーこっとんです。

「ミニマックス法とαβ法、何が違うの?」「αカットとβカット、どっちがどっちか毎回迷う」

このような、G検定のゲームAIの問題でつまずいている方はいないでしょうか?

この記事では、第1次AIブームの続きとして、ゲームAIの探索手法を解説します。

ミニマックス法とαβ法の関係、αカット・βカットの違い、ヒューリスティックな知識、ブルートフォースまで、ひっかけが出やすいところを表で整理しました。

(2026年10月更新:G検定の現行シラバス(2024年第6回から適用)に合わせて内容を見直しました。)

この記事の要点

  • ミニマックス法は「自分は得点が最大、相手は最小になる手を打つ」と仮定して最善手を選ぶ方法
  • αβ法は、ミニマックス法で結果に影響しない枝の探索を打ち切って、計算を軽くする方法
  • ヒューリスティックな知識とは、必ず正解とは限らないが、ある程度正しい答えを素早く出せる経験則
  • AIの文脈のブルートフォースは「力任せにすべての手を調べる探索」のこと

手元に公式テキストが1冊あると、この記事で扱う用語をシラバスの言葉づかいのまま確かめられます。

深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版

JDLA(日本ディープラーニング協会)監修の公式テキスト。用語の意味を正確に確かめたいときの辞書がわりになります。

 

この記事は、現行シラバスでは第2章「人工知能をめぐる動向」の「探索・推論」の範囲です(シラバスはJDLAの公式ページで確認できます)。G検定の範囲全体を一覧で見たい方はG検定チートシートもどうぞ。

この記事では、文字の装飾を次の3段階にそろえています。試験直前は赤太字だけ拾い読みしても要点がつかめます。

  • 赤太字(超重要):試験で正解を決める決め手。年号・人物・数字・違いのポイント
  • 青色マーカー+太字(重要):用語の定義。「〇〇とは」の一文
  • 太字(覚えておきたい):あわせて覚えたい関連用語や覚え方

第1次AIブームとゲームAI

第1次AIブームとは、1950年代後半から1960年代にかけて、AIが急速に注目された期間のことです。

1956年のダートマス会議がその発端で、使用されていたアルゴリズムから「推論・探索」の時代とも言われます。

探索の考え方が特に活躍したのが、オセロやチェス、将棋のようなボードゲームです。

ルールとゴールがはっきりしているので、コンピュータが「先の手」を読みやすいんですね。

探索木の基本は幅優先探索と深さ優先探索の記事で解説しています。
では、ゲームAIの中でどんなキーワードがあったのか見ていきましょう。

ミニマックス法(Mini-Max法)とは

ミニマックス法(Mini-Max法)とは、ボードゲームにおいて最善手を選ぶためのやり方のことです。

盤面の有利・不利を「コスト(スコア)」で表し、自分も相手も最善手を打ち続けるという仮定の下で、先の手を読んでいきます。

「自分・相手ともに最善手を打ち続ける」とは、自分はスコアが最大、相手はスコアが最小になるような手を打つ、という意味ですね。

具体的には、探索木の一番下(数手先)の盤面にスコアを付けて、下から順に次のように値を上に伝えていきます。

  1. 相手の手番の節では、子の中で最小のスコアを選ぶ(相手は自分に一番不利な手を打つはず)
  2. 自分の手番の節では、子の中で最大のスコアを選ぶ(自分は一番有利な手を打つ)
  3. 一番上(今の盤面)まで値が伝わったら、最大のスコアにつながる手を打つ

「相手は自分にとって最悪の手を打ってくる」と考えておけば、どんな手を打たれても大負けしない、という慎重な作戦なんですね。

ただし、ミニマックス法そのものは、読む範囲の手を全部調べます。数手先まで読むだけで探索木が膨大になってしまうので、この探索を減らす工夫として生まれたのが、次のαβ法です。

αβ法(アルファベータ法)とは

αβ法とは、ミニマックス法の中で、結果に影響しない無駄な探索をカットするための手法です。

ミニマックス法では、探索木のような形で「コスト(スコア)」の値を比べながら進めていきます。

この木の数が膨大になると、その一つ一つを調べていたら時間がかかってしまいますよね。なるべく計算を早く、軽くしようとして開発されたものがαβ法です。

ポイントは、選ばれる手(結果)はミニマックス法と同じで、調べる量だけが減ることです。

αカットとβカット

αβ法の打ち切り方には、αカットとβカットの2種類があります。

αカットとは、自分の手番で確保できているスコア(α)より、相手の手番でそれより小さいスコアが見つかった時点で、その先の探索を打ち切る方法です。

自分の「スコア」は最大値になるように選択されますよね。

相手の手番の節では最小値が選ばれるので、そこでαより小さい値が1つでも見つかれば、その節の値はαより小さくなることが確定します。

つまり自分はその手を選ばないので、残りを調べる必要がないわけです。

βカットとは、相手の手番で確定しているスコア(β)より、自分の手番でそれより大きいスコアが見つかった時点で、その先の探索を打ち切る方法です。

相手の「スコア」は最小値になるように選択されますよね。

自分の手番の節で、βより大きい値が1つでも見つかれば、相手はその手を選ばせてくれません。

なので、残りを調べなくてよいわけです。αカットの完全に逆パターンですね。

打ち切り方 どこで打ち切るか 打ち切る条件
αカット 相手の手番(スコアを最小にする節) α(自分が確保済みの値)より小さい値が出た
βカット 自分の手番(スコアを最大にする節) β(相手が確定させた値)より大きい値が出た

覚え方は「αは自分の最低保証、βは相手が許す上限」です。

ここまでの勉強で「やっぱり独学は難しい…」と思っているのであれば、実際に手を動かして学べる講座で一歩先に進むのも一つの手です。

ヒューリスティックな知識とは

いきなり難しいキーワードですね。

ヒューリスティクス(heuristics)とは英語で「経験則の」「試行錯誤的な」という意味です。

つまり、ヒューリスティックな知識とは「経験則の知識」「試行錯誤的な知識」ということになります。

ヒューリスティックな知識とは、答えの精度はそう高くない(必ずしも正解を出せない)が、ある程度正しい答えを素早く出せる知識のことです。

ゲームAIで言えば「角を取ると有利になりやすい(オセロ)」「王様の周りに駒が多いほうが安全(将棋)」のような経験則ですね。

こうした知識で盤面にスコアを付けたり、見込みの薄い手を最初から探索しなかったりすることで、探索の量を減らせるのがポイントです。

プログラミングやアルゴリズムの手法名になることもあるようです。

ブルートフォースとは

ブルートフォースとは、考えられるパターンをすべて、力任せに一つ一つ調べていく方法のことです。

「brute force(力ずく)」という意味の英語ですね。

G検定のゲームAIの文脈では、ヒューリスティックな知識などで絞り込まずに、すべての手を力任せに探索することを指します。

1997年にチェスの世界チャンピオンを破ったIBMのディープブルーは、専用のハードウェアで膨大な手を読む、ブルートフォースの代表例として知られています。

一方、セキュリティの分野で「ブルートフォースアタック」と言うと、IDやパスワードを解読するために全てのパターンを一つ一つ試していく攻撃(総当たり攻撃)のことです。

自力でやり出すとキリがないですが、コンピュータにやらせてしまえばあっという間、というわけですね。

どちらも「全部試す」という意味は同じですが、試験で問われるのはゲームAIの方です。

ゲームAIの進化とAlphaGo

AlphaGo(アルファ碁)とは、Google傘下のDeepMindが開発した、囲碁に特化したAIです。

2016年に、世界トップクラスの棋士イ・セドルに勝利しました。
コンピュータが人間に勝つのが、最も難しい分野の一つと考えられていた囲碁。

囲碁は打てる手の数が多すぎて、ブルートフォースでは読み切れないんです。
その分野において人間に勝利を収めたことは衝撃的でした。

ここで「2016年?第1次AIブームと関係なくない?」と思われた方は鋭いです。

年代的には関係ないのですが、使われている技術の土台は、第1次AIブームの「探索」なんです。

AlphaGoは探索(モンテカルロ木探索)とディープラーニングを組み合わせたことで強くなりました。

詳しくはAlphaGoの記事、モンテカルロ法はモンテカルロ法の記事で解説しています。

AI ゲーム 年 ポイント
ディープブルー チェス 1997年 ブルートフォースで世界チャンピオンに勝利
AlphaGo 囲碁 2016年 探索とディープラーニングの組み合わせ

よくある質問

Q. ミニマックス法とαβ法で結果は変わりますか?

変わりません。αβ法は、選ばれる手に影響しない枝の探索を省くだけなので、結果はミニマックス法と同じで、計算量だけが減ります。

Q. ヒューリスティックとはどういう意味ですか?

「経験則の」「試行錯誤的な」という意味です。AIでは、必ず正解とは限らないものの、ある程度正しい答えを素早く出せる知識や方法を指します。

Q. ブルートフォース攻撃とAIのブルートフォースは同じ?

「すべてのパターンを力任せに試す」という意味は同じです。セキュリティでは総当たりでパスワードを破る攻撃、G検定のゲームAIでは全部の手を探索することを指します。

よくある質問の内容までスラスラ答えられたら、次は問題形式で解いてみるのがおすすめです。選択肢を見比べると、どこで引っかけられるのかが分かってきます。

徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第3版

分野ごとの問題と解説がまとまった問題集。記事で覚えた用語を、本番と同じ選択式で解いて確かめられます。

 

 

まとめ

  • ミニマックス法:自分はスコア最大、相手は最小の手を打つと仮定して最善手を選ぶ
  • αβ法:結果に影響しない探索を打ち切る。選ばれる手はミニマックス法と同じ
  • αカットは相手の手番でαより小さい値、βカットは自分の手番でβより大きい値が出たら打ち切る
  • ヒューリスティックな知識:必ずしも正解ではないが、ある程度正しい答えを素早く出せる経験則
  • ブルートフォース:力任せにすべての手を調べる探索(ディープブルーが代表例)

第1次があるということは、第2次もあります。AIブームは3度起きていて、今は第3次AIブームなんです。次は、エキスパートシステムが主役になった第2次AIブームをエキスパートシステムの記事で解説していきます。

G検定の試験範囲をまとめて見直したい方は、シラバスの全キーワードを一行でまとめたG検定チートシートをどうぞ。分野ごとに読み進めたい方はG検定の解説記事一覧からどうぞ。

お子さんと一緒にAIを学びたい方には、親子で生成AIの使い方を学べる講座もあります。

G検定の勉強で身につけた知識は、データ分析やAI関連の仕事でそのまま使う土台になります。データ系の求人は職種名がバラバラで自分では探しにくいので、どんな求人があるのかを一度眺めておくと、次に学ぶべきことがはっきりしてきます。

20代で未経験からIT職を目指す方、すでに経験があってフリーランスの案件を探したい方は、それぞれ専門のサービスを使うと探す手間が省けます。

ABOUT ME
りけーこっとん
小学生と関わり始めて、10年。最初は学童アルバイト、現在は小学生向けにプログラミングを教えています!日々、小学生のプログラミングに関する情報の発信をしています。小学生のお子さんがいて、プログラミングに興味のある親御さん・お子さん必見です!